今回は排水トラップについて説明させていただこうと思います。
排水トラップとは、その名の通り排水設備にまつわるものです。
トラップという言葉は英語で、「TRAP」という綴りになります。
意味をweblioで調べてみると・・・
「(鳥獣などを捕らえる)わな、落とし」その他に、「防臭弁、トラップ(装置)、(排水管などのU字型の部分)」
とあります。引用元:英和辞典 Weblio辞書
排水トラップはどこにあるのか?
・キッチン
まず、キッチンのシンクの排水の部分に取り付けられています。いわゆる、「流し台用トラップ」というやつです。メーカーやシンクのサイズなどによっていくつかの種類がありますが、基本的な構造はほとんどの物が同じです。サイズの大きなキッチンになってくると、椀型トラップ方式を採用しているものが多くなります。
流し台の下の収納の扉を開けると、ドンと居座っているあのグレーのやつですね!
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*この写真はキッチンではありませんが、流し台用トラップのイメージはこんな感じです。 |
・洗面所
こちらは、P型トラップやS型トラップが一般的に使われています。洗面台の下の排水管が伸びていて、グニャリと不思議なカーブを描いているあの部分がまさしくトラップの部分です。あれがお部屋の床へ下りていっているSの字に見えるものをS型トラップといいます。それに対してお部屋の壁に排水管が入っていくタイプのPの字に見える?のもをP型トラップと言います。
・トイレ
トイレにもトラップは使われています。大便器の中を覗くまでもありませんが、底部に水が溜まっていますね?メーカーによって便器の形は種々ありますが、わたしたちが上から覗き込んだ時に見えない部分にも様々な工夫が凝らされています。
もしもトイレの便器の中に水が張っていなかったら、臭いが大変なことになりますよね?
後程、もしも排水トラップが無かったら?というテーマで簡単に説明しますが、今言った意味とは少し違った意味での説明になります。
ちなみに、小便器にもトラップは採用されています。
・洗濯機
実は洗濯機の排水にもトラップが付いています。洗濯機内部ではなくて、床の内部に付いています。ほとんどのものは洗濯パンと一緒のセットになっていて、トラップを修理・交換するのはプロじゃないとまず厳しいです。古い建物だと、たまに洗濯用排水にトラップが付いていない場合があります。
・お風呂場
こうやってピックアップしていくと、家の中の水を使う場所ではほとんどトラップを使用していますね?お風呂場の排水では、椀型を採用しているものも多いですが、最近は一般的になったユニットバスのトラップでも、椀型を採用しているものもあります。
・もしも排水トラップが無かったら?
上で述べたように、排水トラップはみなさんの家庭にほぼ例外なく設置されています。「排水トラップなんて名前、聞いたことも無い!」という方もいらっしゃるかも知れませんが、法令でもしっかりと設置が義務づけられている、生活の衛生上欠かすことのできない必需品なんです。
もしすべての排水トラップがみなさんの家庭から取り除かれると、どうなってしまうのでしょうか?
- まずとてつもなく家の中が臭~くなります。
- 虫などが、外から排水管を通って家の中に侵入してきたりもします。
- また、他の排水管から水を流した時の音がゴーとかガーっと聞こえてきてしまいます。
- 排水系統の作りにもよりますが、下手をしたら他のところで水を排水した時に、勢いあまって下流にある排水口のところに流した水が上がってきたり溢れたりする可能性もあります。
考えただけでも恐ろしいですよね?

排水トラップは家の中の各排水場所から排水管や排水枡を通って、やがては下水へとつながっています。
~排水枡についての記事はこちら~
排水トラップの役割
ここまで読んでいただいたらお分かりかもしれませんが、キッチンや洗面所などの排水口は、空間的に下水につながっているんです。しかし、下水とキッチンが空間的につながっているなんて考えたら、ちょっと汚い気がしてしまいますよね。そこで、各排水トラップには、そんな空間的なつながりを断つための仕組みが用意されています。
それが、排水を利用した「封水」です。
封水は読んで字のごとく、水によって管路を封じることを意味します。つまり、排水の途中にあえて水が溜まるスペースを設けて、それ以降の空間と封水の前の空間とを遮断するわけです。

またしても、なれないイラストレーターで説明図を作ってみました。これはS型トラップです。少々形がいびつですが、封水によって虫が侵入できない様子を描いてみました。
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