前回の記事では私たちの恵まれた水環境のお話しをさせていただきました。節水をお勧めしたので、今回は節水についてのちょっと意外?かもしれないお話しを・・・
ペットボトルは使い回しができて何かと便利だが・・・ |
「トイレのタンクに水入りペットボトル」は実はNG
実はこの方法、水道屋さんから見たらバツなのです。
なぜタンク(ロータンクと呼ばれています)の中に水入りペットボトルを入れてはいけないのかと言いますと、まず第一に故障の原因になります。
タンクの内部を見たことがある方ならわかると思いますが、タンクの内部には意外とコマゴマとした部品が取り付けられています。
ですのでこの部品にペットボトルが引っかかったりしたら、それによって色々なトラブルが発生してしまいます。
仮にその問題を何かしらの方法でクリアしたとして話しを進めてみましょう。
確かに論理としては、タンクに入れたペットボトルの容量の分だけトイレで流す水の量を減らすことができますし、それを実施されている方はちゃんと排泄物が流れていくことも確認されていると思います。
流れているように見えても、その先で詰まっている場合も
その先の排水ルートのことも、ここでは考えてみましょう。
通常、住宅の排水系統において横向きに敷設される配管には、詰まりがなくスムーズに排水されるために、一定基準の勾配(傾き)がつけられています。
また、配管を施工する時には真っ直ぐなパイプと、角度を変えるための「継ぎ手」という材料を使用するのですが、これをつなぐ時には若干の「つなぎ目」が生じてしまいます。
勘の良い方はそろそろお気づきかと思いますが、トイレが詰まる要因は一箇所とは限らないのです。
参考記事→お役立ち情報~トイレの詰まりを考える~
一旦流れていったかのように見えたとしても、水量が不十分で排水管の途中のどこかに引っかかって、それが段々に蓄積していって深刻な詰まりを引き起こす・・・という事例は実は多いのです。
節水は家計にも環境にもやさしい!! |
最近のトイレの節水能力は非常に高い
話しは戻りまして、皆様のご家庭に設置されている大便器というのは、メーカーさんの長年にわたる研究と開発によって適切な水量が流れるように設計されていて、最近のモデルのトイレであればすでに節水は十分にされているのです。
1990年代によく使われていたトイレと最新節水仕様のトイレで比較してみますと、
一回の排水量が、約13ℓ⇒約4ℓ
ですので、ご自宅のトイレが新しいものでなかった場合には、最近のモデルにリフォームしたとしても、数年でもとを取ることも可能なのです!
補足になりますが、万が一、経年劣化などによって排水機能が落ちている住宅で節水タイプのトイレに交換して、トイレから流れてくる洗浄水の量が落ちたことによって先述したようなトラブルが起きてしまった場合、根本的な問題はトイレではなく排水系統側にあります。
その場合には非常に残念ではありますが、排水系統の修理が必要になります。そのようなケースも実際に発生しています。
しかし、トイレをリフォームしたうえに、さらに排水系統の修理費なんて出せないじゃないか!とお考えになる方も多いかと思います。そんな方には違った対処法があります。
殆どのトイレでは洗浄水の量を調節できる
私の知る限りほとんどのトイレのロータンクの内部には、タイプの違いはあっても、水位調節機構がついています。
トイレが徐々に詰まってくる場合には、「この水量で大丈夫!」という量を短期間で見極めることは難しいので、何度もトイレットペーパーの塊を流して、状況をみながら貯水量を増減させていくのです。
しかし、こういったケースをご自分の力だけで解決しようとするのは専門的な道具や知識と、非常に多くの手間がかかります。
ですので、ここまでのレベルになった場合には、我々専門家にお任せいただくのが一番だと思います。
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