地震による断水

水道には、取水地や浄水場を経由し配水池から道路などに埋設された配管を使用者まで送る配水管と、配水管から取り出した管を使用者が個別に使ういわゆる宅内給水装置に分かれています。 地震が発生すると、ライフラインに少なからず影響を及ぼしますが、水道ではある程度の大きさの揺れで配水管の給水が自動的に止まる場合があります。 また、大きな破損で配水管から漏水が確認されれば、道路に設置してあるバルブを閉めて止水措置をします。
このような対策をし、業者が緊急修繕を開始しますが、災害時にはこれがすぐに開始されるとは限りません。
大規模な地震などでは、対応が間に合わず、長時間の断水もあり得ます。 水道事業者は、さまざまな対策で給水をさせるように対策をしますが、過去の大震災を見ても、復旧には相当の時間を要しています。
復旧作業は震災3日後くらいから本格的になると考えても、完全復旧には1カ月以上かかると思わなくてはなりません。
では、家庭内給水装置はどうでしょう。 これは、建物がある程度自宅避難が可能で、なんとか水道も供給されている場合です。
家庭内の給水装置は、配水管からの分水点~蛇口や器具までを指しますが、地震などで破損しやすいのは、配管と器具の接続部分だと思います。
現在の配管資材などは、そうした破損にも強くなっていますが、古い建築物などでは起こりやすく、特に配管と器具を接続するねじ込み部分は、使用しているうちに劣化も進んで弱くなる場合があるため、地震の揺れによってねじ部が破損して漏水する場合もあります。 このような漏水の場合には、水道メーターのボックス内かその廻りに、使用者が止水出来るバルブが付けられていますので、それを止めれば止水出来ます。
震災の場合などでは、水道事業者や工事業者がすぐに動けるとは限りません。 とりあえず、このバルブの開閉で、業者が来てくれるまでは対応するしかありません。
断水で給水車が来たけれど水をもらうタンクがない
震災時のような大規模断水になれば、水道事業者は給水車を出して対応に当たりますが、意外と多いのは「水をもらう容器がない」事です。 備蓄水や使用済みペットボトルがあれば、それを利用して水をもらう事は出来ますが、普段の生活では水用ポリタンクなどを準備しておく家庭は少ないでしょう。

バケツなどでは飲料水にするには不向きですし、運搬上の問題もありますね。 このような場合に使用できる水用のポリ袋が市販されています。
数リットル~20リットルくらいの容量まであり、値段も数百円程度です。 通販や、最近ではホームセンターなどでも購入できるようです。 頑丈なポリ袋ですが、使わない場合はコンパクトに収納出来て便利です。
地震後の避難では水道バルブを閉める
地震発生後、避難所の準備がある程度出来ればそちらへと移る事が考えられます。 そうした場合は、電気のブレーカーを落して行くのと同じように、水道メーター付近にある止水バルブを閉めていく事も大切です。
断水して圧力がかかっていないと、宅地内の漏水も発見しにくいものです。 避難所へ避難している間に、断水が復旧または仮設的に給水された場合、宅内から知らずに漏水し、室内を水浸しにしてしまう可能性もあります。 普段はあまり考えない事も、災害時は必要になる場合があるのではないでしょうか。
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