災害時の断水と家庭での飲料水の備蓄
いつ起こるかわからない大規模地震。
多くの防災関連ホームページで、地震災害時の飲料水備蓄を奨励しています。
大きな地震では、道路に埋設してある水道本管の破損などにより、数日から数週間、断水する可能性があり、完全に復旧するまでには数カ月単位を要するとも言われています。
防災では、「自助」「共助」がとても重要だと言われています。
大きな地震直後には、行政もすぐには対応も出来ませんから、まずは自分や家族を守る「自助」がとても大切なのです。
災害では、自宅で数日間過ごさなければならない場合も多くなります、ライフラインも分断される可能性も大きいですから、家族単位での数日間分の備蓄食料や飲料水の確保をしておく事を奨励しているのです。
飲料水は、1人1日3リットル必要とされています。
4人家族ならば
4人×3リットル=12リットル
2リットルのペットボトルなら6本です。
最低でも、これの3日分が奨励されていますので
6本×3日=18本
スーパーなどで見かける1ケースは6本入りが多いと思いますので、これが3ケース分ですから、保管場所を考えてもけっこうな量だと思います。
ただ、これはあくまでも目安ですから、ご家庭の環境に合わせて準備しておくといいと思います。
備蓄水もローリングストック
一般に市販されているミネラルウォーターは、消費期限が1年ほどの物が多いと思われますが、備蓄用として販売されている物の中には、消費期限が5年と言うものも存在します。
それらを10数本も常に備蓄するのは、実際に場所などの問題もありますね。
防災用備蓄には、「ローリングストック」と言う方法があります。
備蓄食料や飲料水を、消費期限の古い物から食べたり飲んだりして、消費したその分を新しく買い足しておくと言う方法です。
こうすれば、備蓄のチェックも出来ますし、日頃の食料として考えられますので、最近はこの方法を奨励する専門家も多くなっています。
飲料水はふたを開けて飲むだけですが、備蓄食料の中には、水やお湯を利用して調理する物もあります。
日頃、家族間でこうした備蓄食料を実際に調理する事によって、災害時の訓練にもなりますよ…と言う考え方も含んでいるのです。
水道水の詰め替えでは備蓄水には不向き?
水道水をペットボトルに入れて保管するのはダメなの?との質問を受けた事があるのですが、水道水をそのまま保管するのは備蓄という観点からすれば現実的ではないと思われます。
ご存知のように、水道水は塩素で滅菌されています。
これは雑菌を増殖させないためにする処置ですが、そのままではこの塩素は常温なら1日ほどで無くなってしまいます。
- ペットボトルを煮沸・塩素滅菌させる
- 注ぎ口に手や蛇口を絶対に触れさせない
- 空気が入らないようにいっぱいまで入れてすぐに蓋をする
空気は極力入れないようにする |
こうした処置をした上で、冷暗所や冷蔵庫などで保管する事も出来ない事はないのですが、それでも数日が限界かと思います。
これではあまり現実的ではありませんね。
阪神淡路大震災、東日本大震災でも、避難者の多くが「備蓄水は大事だ」と聞き取り調査やアンケートで答えています。
もちろん、災害など無いのが一番です。
蛇口をひねればいつでも水が出る生活に慣れてしまっている私たちですが、万が一に備えた準備はとても大切ですね。
ただ、直下型地震などのように破壊力が大きければ備蓄が役立たない事も考えられます。
最低限の防災グッズは、車にも準備して置くなども必要かも知れません。