先日の台風も過ぎていき、何となく暑さも和らいだ(気のせい?)ような気がしているのですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか?
6月にブログを書いた時に懸念していた水不足も、最近の台風の影響で荒川水系と利根川水系のダムの貯水量が大部分で回復したようで、何だかホッとしたのは私だけでしょうか・・・。
水不足のメカニズムにダムのデータから迫る!
国土交通省 関東地方整備局のHPの水源メーターを見ると、利根川水系は矢木沢ダムと奈良俣ダム以外の貯水率は80~100%あたりに回復したのがわかります。
国土交通省 関東地方整備局 利根川の水源の概要ページより引用
どうですか?何だかホッとする図ではないでしょうか?
また、荒川水系の4つのダムの本日の貯水率を見ても100%となっており、現時点では水不足の心配は必要なくなったように感じます。
でも、この国土交通省のHPを見ていると、色々と興味深いことに気付きます。
国土交通省 関東地方整備局 首都圏の水資源状況についてのページより引用
上のグラフは荒川水系4ダムの今年の8月31日までと、過去の貯水容量の推移が分かるようになっています。どの年も上半期と比較して下半期の方が低くなっていますが、毎年6月から7、8月あたりにかけて貯水容量のカーブがグーッと下がってきているのが見て取れるかと思います。
キーワードは「夏期制限」
もう一つ注目していただきたいのが、グラフ上部に矢印で「夏期制限期間」と範囲が示されている部分です。パッと見ると、「夏期制限期間」は水が不足するために取水制限をしている期間のように見えますね。
しかし、国土交通省のHPをよく見ていたら、そうではないことに気が付きました。
用語解説のページにこの「夏期制限期間」を理解するヒントが書いてありました。
夏期制限容量
洪水期において一定の洪水調節容量を確保するため設定された制限水位時における容量である。この時期に利水容量はこの制限水位容量内で貯留されている。
国土交通省 関東地方整備局 用語解説ページより引用
つまり毎年、沢山雨が降るこの「洪水期」は、大雨によってダムが溢れたりする事態を回避するために、ダムの水位を低めに保つようにしているのです。
また、私も何気なく使っている「貯水率」というワードですが、この貯水率も、夏期制限期間にはダムの有効容量が先程の引用文の「夏期制限容量」に対する数値(%)になるのです。
夏に水不足に陥りやすい理由
この夏期制限水位は各ダムでそれぞれ違うのか、また、毎年の気候などの様々な要因によって調整されるものなのかはわかりませんが、平常時より水不足になりやすく、逆に貯水率も上がりやすいわけですね。
そういった意味では、ダムの水位の管理は夏期が最も難しい季節なのだろうと推測されます。
特に近年はゲリラ豪雨もあり、両極端な気候になってきていますので・・・。
国土交通省のHPを眺めながら、そんなダムの水位管理の裏舞台のドラマに思いをはせるウルウルなのでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿